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羽生の頭脳

「羽生の頭脳」シリーズ全10巻

「羽生の頭脳」シリーズは、棋界前人未踏の七冠を達成した羽生善治氏が、自身の研究、成果の一部を我々アマチュア将棋指しにも 分かりやすく書き下ろした画期的な定跡本です。アマチュアのみならず、プロ棋士でさえも時々参考にすることがある、とも 言われるもので、まさに、僕たち定跡党の将棋指しにとって必携のバイブルとなっています。戦型、戦法は日進月歩でもあるため、 紹介されている定跡によっては若干古いものもありますが、一度は勉強しておいて損はないと思います。定跡そのものだけでなく、 その定跡に現れる手筋、感覚を自分のものにするのにも大いに役立ちます。

羽生の頭脳1
急戦四間飛車破り!
(羽生善治(著))

居飛車対四間飛車の戦型の花形としてプロの間でも昔は頻繁に指された(アマチュアの間では今なお人気が高い)対四間飛車の居飛車急戦系について、 羽生善治氏が詳細に解説しています(本書では、先手居飛車vs後手四間飛車の戦型のみ解説)。シンプルな5七銀右戦法に始まり、急戦の花形でもある5七銀左戦法を、後手の応手(4三銀、6四歩、9二香)により、@4六銀戦法、 A鷺宮定跡、B4五歩早仕掛け、の3つに分類し、本書が書かれた当時の定跡で、先手居飛車側を有利に導く方法を考察しています。 最終的に居飛車、振り飛車側が最善を尽くすと互角に近い難しい戦いになりますが、居飛車党だけでなく、振り飛車党の人にとっても、 この戦型に通じる必要があるため、非常に役に立つ一冊だと思います。

羽生の頭脳2
羽生の頭脳2 急戦四間飛車破り Part2
(羽生善治(著))

このPart2では、今度は対四間飛車に対して、先手居飛車の鷺宮定跡の補足の後は、居飛車側が後手番の場合に限って解説しています。 同じように後手の指し手を見て、@6四銀戦法、A6五歩早仕掛け、B鷺宮定跡の3つの戦型のうち最善のものを選ぶ、 という構想ですが、不思議なことに、居飛車が後手番の方が若干指しやすくなる、といった局面が登場します。 いずれにしても、先手の場合も後手の場合も、上記3戦法を指しこなし、使い分けることが、対四間飛車急戦において 勝率を上げる秘訣です。1巻と2巻を抱き合わせで読んで勉強すれば、四間飛車党をカモにすることができるでしょう!

羽生の頭脳3
急戦、中飛車・三間飛車破り!
(羽生善治(著))

羽生の頭脳4
羽生の頭脳 (4)
(羽生善治(著))

羽生の頭脳5
最強矢倉・森下システム
(羽生善治(著))

「矢倉は将棋の純文学」、その中でも、現・森下九段が開発した「森下システム」は当時、六割を越える勝率を誇っていた先手矢倉の 必勝定跡でした。矢倉の24手組の後、25手目にじっと6八角と上がる指し方は実に含みが多く、じっくりした駒組みを好む矢倉党の 感覚にピッタリと合っていたのでしょう。ここでは、そのような森下システムの定跡について、詳細に解説しています。 後に、後手の作戦に「5二金型雀刺し戦法」が登場し、以前のような勝率は挙げられなくなり、徐々に「3七銀戦法」に移行して いくことになりますが、「森下システム」には矢倉将棋の感覚、心、エッセンスが詰まっており、今なお勉強するに値する定跡と言える と思います。

羽生の頭脳6
最強矢倉・後手急戦と3七銀戦法
(羽生善治(著))

先手番を持って矢倉を指しこなすには、後手急戦の受け方も知っておく必要があります。ここでは後手急戦定跡として、居角急戦の「米長流」と 「中原流」を手短に解説しています。また、後半では、森下システムに取って代わった先手番の作戦である「3七銀戦法」について、 詳しく解説しています。飛車先の歩や端歩の形が違っているだけで優劣が変わってしまう、うっかりしていると知らない間に 作戦負けに陥ってしまう、といった矢倉戦の怖さを克服するために、矢倉戦で戦績を上げるためには、3七銀戦法の詳細な知識は 必要不可欠なものとなっています。矢倉党必携の一冊です。

羽生の頭脳7
角換わり最前線
(羽生善治(著))

角換わり戦法は、先手と後手の同意の下に成り立つ戦型ですが、先手の勝率が高い戦法であることは皆さんご存知の通りだと思います。 ここでは、角換わりの代表格でもある「腰掛銀戦法」を中心に、「棒銀戦法」についても解説しています。 この戦型は、多くの場合、先手の猛攻を後手が受け切るか否かにかかっていると思いますが、先手の攻め筋、後手の受け方の勉強を する意味でも、この戦型を勉強することは非常に役に立ちます。細い攻めをつなげる技術、それを受けきり、指し切りに導く受けの 技術を勉強する意味でも、一度はこの戦型を勉強しておいて損はないと思います。

羽生の頭脳8
最新のヒネリ飛車
(羽生善治(著))

ヒネリ飛車は、飛車先の歩を互いに延ばす相掛かり戦法の一変化として現れる戦型で、先手の飛車が4段目で左側に転回するものですが、

羽生の頭脳9
羽生の頭脳〈9〉激戦!横歩取り
(羽生善治(著))

まず冒頭で先手が横歩を取る必然性についての解説が面白いです。主に20年ほど前まで指された「2三歩型」横歩取り、飛車切り定跡に ついて多くの頁数を割いて詳しく説明しています。森新手の1六歩、3一金の妙手の登場で先手有利が定説となっている定跡ですが、 その根拠と対処の仕方を知らなければ、先手を持って横歩を取るのはちょっと難しいです。また、もう一つ飛車を切るところで3六飛 と引く「飛角交換定跡」についても説明していて、こちらは若干先手が良さそうに見えるものの、「優劣不明」との結論になっている ようです。この古い戦型はプロの間でこそ指されなくなりましたが、僕自身はネット将棋(将棋クラブ24で1級)で指されたことが 頻繁にありました。と言うわけで、時間があれば勉強しておくべき戦型だと思いました。

羽生の頭脳10
羽生の頭脳10―最新の横歩取り戦法
(羽生善治(著))

こちらの本では、先手同様、後手も飛車先を交換した後に先手3四飛、と横歩を取る戦型について解説しています。 ここで後手の応手として、角交換をして4五角と打つ「4五角戦法」と、同じく角交換をして7六飛と横歩を取り返す「相横歩取り」 について解説しています。「4五角戦法」は、ハメ手を多く含む乱戦定跡で、激しい戦いが好きな人は是非、勉強しておくことを お薦めします。先手が正しく応じれば後手指しきり型(先手有利)ですが、弱い相手、定跡を知らない相手なら連戦連勝といけると思います。 また、「相横歩取り」は、一直線の激しい戦型で、丸山新手、北浜新手の現れる以前の定跡で、後手一歩足りず指しきり、先手有利 との結論に至っていますが、その道筋、定跡を知るのは居飛車党にとって必要だと思います。

更新記録
2006/09/28 初稿

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